無添加シリカを可能にした開発者たち
日本のお米の籾殻に重要なミネラル”シリカ”が豊富!
もみ殻のシリカとは、稲の籾殻から抽出される二酸化ケイ素(SiO2)で、総称してシリカと呼ばれています。籾殻は稲の収穫後、米粒を取り除いた後に残る外皮でその外皮の約20%がシリカで構成されています。もみ殻のシリカは、高い純度と優れた特性から健康面、美容面でも注目されているミネラルです。
もみ殻の化学構造。もみ殻はなんとダイヤモンドのように硬い
籾殻は年間約200万トン排出されますが、 「高い栄養素を持つもみ殻なのに役に立てることが難しい構造を持っている」というのが米農業の大きな悩みでした。籾殻の焼却はその温度によって発がん性物質を発生させたり、煙で目を痛めたり呼吸器に問題を起こす可能性があり、これだけのミネラル成分を備えた素材なのに、生かすことも難しく廃棄も難しいという大問題を抱えていました。さらに焼いたもみ殻灰は結晶化し、そこに存在しているシリカも水に溶けないという決定的な問題があったため、シリカを水に溶けるものにするために苛性ソーダーなどの化学薬品の溶液に溶かしてサプリメントとして製品化されています。
薬品を使用せずに水に溶けるシリカを!米の生産者、自治体、企業、すべての人の悲願だったもみ殻を活かす方法。その研究を重ねた結果、制御可能なバイオマスボイラーであればシリカを解性をさせられることがわかり、この発見を機に大きく研究は進展し非晶質シリカ灰の抽出に成功させました。
これまで数々の企業や学者が何度もチャレンジし挫折し、しかしそれでもあきらめなかった研究者が偶然出会ったような天からの閃きというヒント。企業秘密ではありますが、これが薬品を使わずに水に溶け出すイオンシリカを可能にしました。
プロフィール: 富山県射水市役所職員として 平成21年よりバイオマスニッポンの政府指針に沿ってバイオマス担当(特任)となり 各種バイオマス事業に着手。
着手当時は40年来失敗続きで研究者を挫折に追い込む未来の開発でビジネス化は不可能とされていましたが 産学官の連携と異分野融合という発想の転換により日本初のイノベーションを興しました。
日本の未来のためにも 籾殻を厄介者ではなくシリカを大量に含む”鉱物資源”とする発想で 始めたのがこの研究の出発点です。
「情報は学にあり、官の後押しで産が創る」を信条とし、まさにその中核を担い各専門分野の人をまとめ 日本のバイオマスエネルギー開発の新たな礎を作った一人でもあります。農林水産省と協議を行い第一はシリカが非晶質であること、第二にシリカが高活性であること、その重要性を満たしたシリカ製造にかかわっています。
竹内美樹氏